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時を重ねて…今。 [黄昏に向かって]

10月20日.21日は『川越祭り』です。<川越の人>になって45年の歳月がながれ街も大きく変貌しています。私が最初に川越を知ったのは中学1年生の時。文京区にある私立の女学校での事でした。クラスでも身長が大きい方のIYさんと小さい方の私。何故か気が合ってある日彼女の家にお邪魔することになりました。その家は西武新宿線本川越駅近くにあったのです。その後23歳で結婚した私は、川越で新婚生活を始めました。相手の住まいは川越の市街地から車で15分ほどの大学のある街でした。
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その後は実家のある東京と川越を行ったり来たり、母娘が川越に定住したのは私が30歳の頃でした。早稲田の家が区画整理の為、母は家を売り私のいる川越に転居したのです。江戸っ子の母は最初は土地に馴染めず寂しい想いもありましたが、次第に街に馴染みました。しかし勤務先が東京にある私は一向に馴染めず、40歳で再婚した夫と起業するまで近所との交流も殆どなく過ごしました。
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私の定年を迎えた後、夫は起業、会社は順調に伸びたと思っていた私でしたが、起業後数年で母を亡くし、その10年後に夫が急逝。とうとう一人ぼっちになりました。一時は自らの行く末に絶望した私でしたが、6年が過ぎてみれば私は今、川越祭りの街で生き甲斐をもって暮らしています。かつては思ってもみなかった展開です。
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昔話はここまでにして、さて今日は祭りの初日、私の家から数分のところを山車が通ります。去年は少しだけの見物でしたが、今日は一緒に歩いてみたくなりました。勿論山車には近寄れませんが、でも直そばから写真を撮ることができました。今日は幼稚園児たちの曳行もあり、可愛い手古舞姿も見物できそのご家族の方とも楽しい会話を交わすことができました。
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日々の暮らしの中ではまだまだ会話する方々も数える程の私ですが、最近は教室に来て下さる生徒さんも増えコーヒーブレークでの楽しい時間も増えました。そのせいか孤独感に苛まれる事も少なくなりました。生活が安定したこの頃ですが、猛烈な勢いで変わりゆく街の姿とそこに住む方々のパワーは私の中の『寂しい老後感』をすっかり追い払ってくれました。
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かつての静かなあの町には愛しさも残っていますが、今のような前向きな心は生まれなかったかもしれません。草花や愛しい猫たちの住むあの町、私にとっては忘れられない場所です。しかし静かな佇まいだけではきっと生き抜いては行けませんでした。この街に住んで4回目の祭りを迎えた今、何だかふと私が育った音羽や早稲田での祭りの日々を思い出しました。
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そうか、此処には私が忘れていた何かがあるその『何かを』いまは漠然と感じるだけですが、きっと今夜の此の安らぎはその『何か』を私の記憶が呼び起こせたからだと思います。
明日は川越祭り二日目、出来れば『曳っかわせ』をしっかり目に焼き付けたいと思っています。私が歌う『小江戸桜』の三番の歌詞には『曳っかわせ』が出て来ます。もう一度この歌を改めて勉強したいとも思っています。
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