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舞台わらし(その2) [夢半ば]

真夜中の音はなんとなく物悲しいものです。前の家では一人暮らしの恐ろしさにまんじりとしない夜を3年も過ごしました。しかし転居後はその怖さがなくなりました。
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しかし耳を澄ませて聞くとコトコト、ザワザワ、ミシミシ、その中に聞こえる筈ない囁きが聞こえてきます。もしや座敷童?? だったら嬉しいのですが。
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そういえば前にもちょっと書いた気がしますが、2012.06の頃です。埼玉の某劇場で私『舞台わらしに』に逢いました。その日は私にとっての『晴れ舞台』の筈でした。歌のテーマに合わせて真新しい衣装を身に着けて朝早くからその時間を待っていました。衣装は『小江戸桜』という私のデビュー曲に合わせて、黒地に桜の花びらのがちりばめられたとても豪華なものです。緊張したままで今か今かと出番を待っていました。
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ところが出場前にちょっとしたアクシデント。出場順の事で大ショックを受けた私。半泣きべそになっていました。というのはメインゲストのメジャー歌手さんの登場前に4名の地元歌手が歌うのですが、私が最初だという事にちょっと動揺したのです。後輩もいるのに…。そんな思い上がりだったのだと思います。
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ところが私のステージはいわゆる緞帳(どんちょう)上がり、という事になりました。初めての経験で大感激でした。
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その場面は、客席から見るとお辞儀をしている私がいて、その前を大きな緞帳がするすると上がって行く、そんな状態になります。私が正面を見るころには緞帳が上ってたくさんのライトが私の目に飛び込んできました。ステージは初めてではありませんが、あの大舞台で緞帳上りに歌えたことは格別の想いがありました。
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ところがその舞台で予期せぬ出来事が。歌い始めて丁度半ばの頃、何気なく左足を一歩引こうとした瞬間、信じられないことが起こったのです。飛んだのです、私の履いていた草履が。佐賀錦の鼻緒がついた草履が、目の前を飛んでいるではないですか。足から離れて頭の方へと。一瞬声にならない声を出したように記憶していますが…。そして気が付けばいつの間にか草履は再び私の足元に置いてあります。左足の前に戻っていたのです。勿論大勢のお客様もその様子を見ていました。その後、歌の続きを歌い終わって舞台の袖へと下がりました。
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後で聞いた話ですと、あの時私は何かに突き倒されるように前にのめってそのまま客席に倒れこみそうだったとか。客席の前の方々が舞台へ駆け寄ったそうです。しかし当の私には時間がとまり、上に飛んだ草履は勝手に戻ってきて、私は足の指だけで鼻緒に入れた、そんな風に感じていました。
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さてこの話を当日の主催者の女社長さんに話をしたところ「それは舞台わらしよ、古い舞台にはよくある事よ」と教えてくれました。すこしユーモラスですが、いま一人で思い出すと、ちょっと怖い気がしますが。でもまた今度、どこかの舞台でもう一度会ってみたい、そんな舞台わらしのお話でした。では皆様おやすみなさい。

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