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脱皮を迎えて。 [黄昏に向かって]

そう言えば5月21日は母の祥月命日です。平成16年5月21日、あれからもう丸12年、という事は今年は13回忌と言事に? 吃驚しました。親の祥月命日も忘れてしまう程、あの日が遠くになっていたのです。言い替えれば、それほど長い長い歳月でした。

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昨日の事です。家から数分の場所にあるデパ地下でばったり会ったKさん、私の姿に驚かれた様子です。それもその筈、一時は死亡説さえ流れたそうですが、真っ黒に焼けて、目ばかりギョロギョロになった3年前の私とはかなり違った姿に、Kさんはしばし戸惑った様子でした。
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歳月はいい意味でも悪い意味でも人間を変えます。ましてや急転直下に変わった運命に翻弄された私は、生きる屍状態でした。しかしその後の事は今でも信じられない展開が。そしていま私は、以前の数倍も涙もろくなりました。『人の情け』が私を生まれ変わらせて呉れたのだと思います。
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73歳を目前にして思うことは、よくここまで来られた! その一言に尽きます。しかし一人で来たわけではありません。手を引いてくれた人、陰からそっと応援してくれた人、食べ物や生活用品を届け呉れた人、生きろ!ここへ戻ってこい!とあのステージへ呼び戻して呉れた仲間達、一人一人の顔が浮かびます。
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沢山の人情に触れました。今の年齢は、私が18歳の頃の祖母の年齢と同じ、その年の夏祖母はこの世を去りました。あまりにも遠い日に、自分の人生なのにあの8月3日を思い出すことは稀になりました。ですが、母も祖母も今でも私を愛し続けている事が、日々の生活のなかで、実感させられる事があります。
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けれど、亡夫はどうだったのでしょうか?今でも懐疑的な私。死は人を隔てるけれど、愛はその死さえ超えても続くと思っていた私ですが、4年目を迎える亡夫の愛は今だ未確認です。しかし最近、こうして今幸せに生きていられる以上、もう過去の恨み云々は今日限りにしようと、思うようになりました。
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数年間捨てたも同然だった亡夫の写真をまた身近に戻しました。30年間の歳月を無にしたくなかったからです。多くの事を学びました。他人だった夫と添うために大切な母に寂しい思いをさせました。母の大切な家を夫は奪いました。しかしすべてが終わった今、私はやっと最初で最後の『脱皮』が出来たように思います。亡母の13回忌を前にして今、とても清々しい思いです。


タグ:情け
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