冬の蝉 [黄昏に向かって]
幸先のよい新春とばかり燥いでいたら、気が付けば傷心の日々。何も手につかな毎日が過ぎています。原因はある電話。思い出す度に口の中に苦い水。信頼していた彼女になにがあったのか?
こんな時に決まってする行動は古い写真探し。見失いかけている自分の心を取り戻したくてダンボールいっぱいの記録を取り出します。たった一枚にCDには数十枚の写真が撮ったままの姿で残っています。その一枚は2012.8.26通夜の翌朝に撮った蝉。通夜の夜は深い悲しみ以上にこの世の業を知りました。私一人を其処に残して全員が帰りました。夫の兄弟姉妹もすべてかえり、夫の棺と私だけ。
お化けが怖いのではなく、人の心が怖かった。「都ちゃん、僕の兄弟たち、みんないい人でしょ」屈託ない笑顔を残してあっけなく夫は逝ってしまいました。最終バスに間に合うように葬儀場を出た私は震えながらバス停へ急ぎました。あれから5年がたって今こうしてあの夏の写真。その翌年には40年間見たことのなかったヤマボウシが咲きました。
こんな時に決まってする行動は古い写真探し。見失いかけている自分の心を取り戻したくてダンボールいっぱいの記録を取り出します。たった一枚にCDには数十枚の写真が撮ったままの姿で残っています。その一枚は2012.8.26通夜の翌朝に撮った蝉。通夜の夜は深い悲しみ以上にこの世の業を知りました。私一人を其処に残して全員が帰りました。夫の兄弟姉妹もすべてかえり、夫の棺と私だけ。
お化けが怖いのではなく、人の心が怖かった。「都ちゃん、僕の兄弟たち、みんないい人でしょ」屈託ない笑顔を残してあっけなく夫は逝ってしまいました。最終バスに間に合うように葬儀場を出た私は震えながらバス停へ急ぎました。あれから5年がたって今こうしてあの夏の写真。その翌年には40年間見たことのなかったヤマボウシが咲きました。
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